行政書士/停止条件説について

molluate 2022-05-07 16:53:35

講義回数:私権の主体04
テキスト:39ページ


停止条件説のところで、疑問に思ったことがあります。

なぜ、胎児の母が胎児の出生前に胎児を代理して不法行為の加害者に対して損害賠償請求をすることができないのですか?

代理の前提として、本人に権利能力がない場合は代理はできないとの記述があったのですが、民法第721条には「胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす」とあるので、権利能力は例外的ではあるがもっていると言えるので、矛盾してない?と思ったのですが、よく分からないので、教えて下さい。

 

民法721条「胎児は、損害賠償請求については、既に生まれたものとみなす。」の解釈の一つとして、ご存じのとおり停止条件説があります。
改めての説明になりますが、この停止条件説とは、一般に「胎児が生きて生まれてきたことを停止条件として遡及的に権利能力を取得する」というものです。
判例はこの立場です。

この停止条件説によれば、「胎児が生きて生まれてくるまでは」条件が成就することはありません。
「条件が成就しない」以上は、「権利能力を取得することはない」ということです。
ご指摘にもありましたように、代理は、本人に権利能力がない場合はできない訳です。
上記停止条件説に従えば、「出生前」は「本人(胎児)に権利能力がありません。」
ですから、「出生前」は、「本人に権利能力がない場合」に当たりますから、「代理できない」という説明になります。
以上この説明は民法721条に関する解釈論である停止条件説の立場から出て来るものであって、その立場は判例の立場です。
民法721条と矛盾するものではございません。

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jimukyoku 2022-05-19 10:10:28

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